「怒り」公式サイトより
めちゃくちゃにいい映画でした。
小説のことを散々書いたんですが、本当に今年見た映画の中で一番よかったんじゃないかくらいです。
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ここからネタバレあり
オープニングは小説と同じ、殺人現場から始まりました。なので小説を読んでないと2時間半ずっと「山神は誰なんだ」ということを考えながら見ることになると思います。
ほんと、この話において「山神は誰か」っていう疑問はノイズでしかないんですよね。なのでそれを考えながら見た人は、なんなんだよこのクソ映画はとなる可能性もあります。小説よりは山神の異常さや犯行に至った経緯などが描かれてた気がしますが、それでも田中と山神が全然繋がらないんですよね。だって最初の方の田中はただの気のいいあんちゃんですもんね。
そもそもまともな犯行動機というのが語られないんです。それなのにあの壁に描かれた「怒」のインパクトが強すぎて、犯行に至るに十分な動機があるに違いないという姿勢で画面に向かってしまいます。これはいけない。
そもそも我々は実際の事件でも動機は何だったのかということを気にしすぎだと思います。報道により発表された動機を聞いて安心することもあるんでしょうが、そもそも殺人という人としての道を逸脱してしまった人の気持ちを殺人を犯してない人が理解することは本質的にはできないんじゃないでしょうか。
そんなわけで、この山神のキャラも映画としてはなんなんだよという気持ちになりますが、実際にはこういう気持ちで人を殺す奴もそりゃいるんだろうなという気持ちになりました。
さて、ストーリーは置いといてほとんどの登場人物の演技がすごいです。特にいいなと思ったのは宮崎あおい演じる愛子と佐久本宝演じる辰也でした。
佐久本宝って他に何に出てる子か調べてみると、なんとこの映画がデビュー作みたいですね。子役出身の子かなと思うほど演技力がすごかったのでびっくりしました。いそうな感じがいいですよね。普通な感じってなかなか出すの難しいと思います。
愛子は通報した後の号泣するシーンがよかったですね。よかったんですけど、ラストはなんで小説と変えたんですかね。あそこがハッピーエンドみたいになると怒りというタイトル自体が揺らいでくると思うんですけど。あの取り返しのつかないことも怒りの一部だと思ったんですけどね。
後は最後の広瀬すずが叫んでるシーンはなんかのCMみたいで笑ってしまいました。海が綺麗すぎる。
それにしてもあそこまでやるかという感じでしたね。広瀬すずのシーンは小説よりえぐかったです。
刑事のエピソードを削ったのは正解だったと思います。あれ結局なんだったんでしょうか。
田中が刺された後で優馬のシーンに戻った時、田中のシーンの印象が強烈すぎてここからこの答え合わせするのかよと思いましたが、妻夫木聡の演技がとても良くてよかったです(小学生)。天国で直人と幸せになってください。
とにかく出てる役者さんすべての熱量がすごかったですね。改めてみるとめちゃくちゃ豪華な俳優陣ですよね。
でもこの話って結局3つのストーリーが交わるところがないわけだから、俳優さんたちもどんな映画になるのか全然わからなかったでしょうね。完成したものを見た時どんな気持ちになったんでしょうか。
まとめ
とにかく素晴らしい映画でした。なので、それを全力で味わうためにまずは原作の小説を読んでみることをお勧めします。内容はイマイチですがこの映画を100%楽しむために我慢して読んでください笑。
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